2013年11月12日

素質、性格も3歳までにほぼ決まる

人間を親と思って育った雁が、やがて空を飛べるようになる感動的な映画「グース」をご覧になった方もおられるでしょう。雁のひな鳥たちは卵の殼を破って、この世界に生まれたときに、まっさきに目に入った動くものを自分の「親」だと思いこむといいます。これは脳への「刷りこみ」と呼ばれる現象です。

この現象によって、「グース」では、ひな鳥たちが最初に殻を破って見た女の子を自分の「親」だと思いこみました。そして、その「親」の後をいつもついて歩くようになり、鳥として空を飛ぶという本来の姿を学習する機会を失なってしまったのです。映画では、飛行機を使ってこの雁の子どもたちに飛ぶということを教えます。飛べる翼を持っていても、「親」が飛ばない限り、雁の子どもたちは飛ぶ技術を修得することができなかったのです。

つまり、雁の素質や性格は、卵の殼を破ってからのわずかな時間に決定されるわけです。ですから、その瞬間は、大切なものなのです。この刷りこみ、すなわち「インプリンティング」が動物の本能になり、自分の身を守る学習になるわけです。

これは比較行動学のローレンツ博士が確立した考えですが、博士によれば、この「インプリンティング」にも時期があり、それを逃せば二度とやり直しが効かなくなるということなのです。人間にとっては、この「インプリンティング」に当たる期間が、やはり3歳までなのです。3歳までに学んだことや習慣、性格はそのまま大人になってもほぼ変わらないのです。

3歳までにいい習慣を覚えれば、それはいつまでも続きますし、逆に悪い習慣を身につければ、それを止めることはなかなかできなくなるのです。日本のことわざの「3つ子の魂、100まで」は、そのことを実に巧みにズバリと表現しています。3歳までに覚えたことは、100歳になっても忘れない、ということですが、これはまさに早期教育の重要性を意味しています。

脳細胞は約140億個と言われていますが、脳の成長を見ると、生まれてからの3年間で、その7、8割を終えてしまいます。「鉄は熟いうちに打て」とも言います。何事であれ、まだ固まらない柔らかい時期に、その型を作りあげなければならないのです。固く冷めてしまってからでは打っても歯が立ちません。鉄も、熟いどろどろした液体のときには、どのような形にもすることができます。それこそ鍋でも釜でも、風鈴にでもできます。

3歳までの幼児が、この熱い鉄の液状の状態なのです。幼児はみな本質的に学びたがっています。ですから3歳までの大切な時期に学ぶ楽しさ、素晴らしさを幼児にしっかりと伝えるのです。そうすれば、あとは自分から進んで楽しく学ぶように成長していくのです。学ぶことが苦ではなくなるのです。

3歳までの幼児の学習能力について、次のような10項目の特徴を挙げています。

  1. 学習の過程は、誕生時、あるいはそれ以前に始まる

  2. 赤ちゃんはみな、学習への情熱をもっている

  3. 幼児は、食べるよりも学ぶほうが好きだ

  4. 子どもは、遊ぶよりも学ぶほうがずっと好きだ

  5. 幼児は、成長することが自分の仕事だと信じている

  6. 小さな子どもは、今すぐにでも大きくなりたいと願っている

  7. 子どもはみな、学習は生きていくための技術だと信じている

  8. そのように信じることは正しい

  9. 幼児はあらゆるものを、今すぐに学びたいのだ

  10. 算数は、学ぶに値するもののひとつである




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2013年10月20日

知能は幼児期の環境が育てる

ですから、幼児期の教育環境がとても重要なのです。このことを建築学や工学でよく知られている「機能が構造を決定する」という理論から考えてみましょう。その建物を何に使うかによって、建物全体の構造も決まる、というのが「機能が構造を決める」という理論です。

たとえば、その建物を住宅に使うのか商店にするのかで、全体の設計は大きく違ってきます。また、店にするならば、その店がどんな商品を扱うか(機能)によっても、スペース(構造)の取り方は違ってくるわけです。それと同じように脳をどう使うか(機能)によって、脳の能力と大きさ(構造)が決定されるのです。

だから、脳の機能を使わない環境に置かれると、幼児の脳は発達しないばかりではなく、正常な知能も阻害されてしまうということも起こるわけです。ドーマン博士は、知的障害児がそうであるのは学習する機会が与えられなかったからだと述べています。たとえば、ベッドにしばりっけられたり、納戸に閉じこめられることによって、脳の機能を発達させる機会を奪われた結果だというのです。

脳(機能)を使わなかったので、脳の発達(構造)がなかったということです。もし、天才のレオナルド・ダ・ヴィンチやエジソン、シェークスピアなどが、大切な幼児期に納戸に閉じこめられるような環境に置かれたら、その能力が発揮されるどころか障害児のようになっていたかもしれない、とさえ指摘しています。表現を変えれば、知能は胎児や乳幼児期の環境が育てる、と言ってもいいでしょう。

これをよく示しているのが、幼児のバイオリン教育で世界的に知られている鈴木鎮一氏の教育法です。鈴木氏は、バイオリンを弾くのは素質ではなく、幼児期の育て方ひとつだと言っています。鈴木氏が幼児にバイオリンを教えるきっかけになったのは、日本人ならば誰でも日本語を話す、という事実からでした。日本人が日本語を話すのは当たり前じゃないか、という疑問をもたれる方もいるかもしれません。しかし、これはよく考えると、当たり前のことではないのです。

何らかの事情で、海外で幼児期を過ごした子どもは、たとえ日本人であっても現地語を話すようになるからです。両親が日本人でも、アメリカで生まれて育てられれば、英語がペラペラのバイリンガルの子どもになるでしょう。日本人の幼児が日本語を話し、アメリカ人の幼児が生まれながらに英語を話すのは、人種や民族の違いではなく、その幼児が日本語を話す環境に生まれ育ったか、英語を話す環境にあったのか、という「環境」の違いによるのです。

鈴木氏はここに注目して、日本で生まれ育った子どもが自然に日本語を覚えるように、自然にバイオリンを学べる環境に幼児を置いたら、自然にバイオリンを修得し、立派に弾けるようになるのではないだろうか、と考えました。この考えが間違っていなかったのは、「鈴木バイオリン教育」で江藤俊哉、豊田耕児、志田とみ子、小林健次などの世界的なバイオリニストが生まれたことを見ても理解できます。それだけではなく、幼い子どもたちの高度な演奏は、カザルスやグルミュオなどの巨匠をも驚嘆させるほどでした。

環境が整っていれば、幼児はバイオリンを弾くことができるし、英語を話すことだってできるのです。そして、それを可能にするのが幼児期の効果的な訓練なのです。それによってバイオリンを弾く能力が育ち、やがてそれが一流の才能となっていくのです。

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2013年09月26日

潜在意識に直接働きかける

このようなアルファー波の出る幼児期を別な言葉で言えば、潜在意識が最も働く時期とも言えます。潜在意識についてはご存じかとも思いますが、顕在意識の下にあって天才的な素質を引き出す部分です。私たち大人ではふつう顕在意識を使って生活しています。

たまに潜在意識の働きで第六感がさえたり、火事場の「馬鹿力」が出たりします。成功者や才能豊かな人は、この潜在意識を有効に使える人たちです。大事なことは、胎児、幼児のときの働きかけいかんで、この潜在意識の質のよさが決まり、それがその人の一生の才能や素質を決定するということです。

幼児のときは、まだ顕在意識は育っていませんが、潜在意識がむき出しになっていて、すべてのものをそのまま吸収してしまいます。よいも悪いも一切をそのまま吸収するので、前に紹介しましたようにオオカミに育てられれば、幼児はそのままオオカミの習性を100パーセント受け入れてしまうのです。

もしこの時期に「赤ちゃんの可能性は無限である」と信じて、豊かな教育環境のなかで、かっ適切な教育プログラムにそって育てれば、多くのお母さんたちの体験談にありましたように、それに応じて豊かな才能が見事に花開くのです。顕在意識が育ってからの学習方法と、潜在意識が活発な幼児期の学習方法はまったく違います。

顕在意識が発達してくると、どうしてもそれまでに得た情報や経験に照らし合わせて新しい情報を取り入れます。そのため情報をダイレクトにそのまま吸収できにくくなるのです。一方、3歳までは潜在意識が活発に働いているので、学習する難易度に関係なく、入ってくる情報をそのまま吸収してしまいます。

ですから、英語であろうとフランス語であろうと、また高度な数学や複雑な漢字、たとえ百科事典でもすべてそのまま記憶してしまうのです。そればかりか、バイオリンやピアノなどを演奏したりする音楽や運動でもそのまま楽々と吸収してしまうのです。その吸収力はまさに驚くべきもので、感動的なものです。

さらにいえば、この時期に親から与えられる愛情や人格的なものまで、すべてそのまま吸収してしまいます。赤ちゃんは親の後ろ姿をしっかりと見ているのです。何度もくり返しますが、潜在意識が活発に働く幼児期にこそ、質の高い体系化された早期教育が必要なのです。

posted by kosodate at 23:28| 証明された「能力」 | 更新情報をチェックする
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